世界トップレベルのサッカー指導者になる2つの選択肢とは?

【吉住貴士】最終回:スペインはサッカーが教科書になっている

スペインから日本へ帰国し活躍している指導者に聞くインタビュー企画

前回に引き続き、吉住貴士さんのインタビューをお届けします。

第1回 【吉住貴士】ボール扱いが下手なのにサッカーがうまいスペイン人

第2回   【吉住貴士】小嶺監督の指導はスペインと似ている

最終回となる今回は、吉住氏も通った「サッカーが教科書のように体系化されている」スペインのサッカーコーチングスクールの話や、教えることで学ばせてもらったと語るPSTアカデミーの「日本語のスペインサッカー理論」の講師を勤めてもらった話を聞かせてもらいました。

サッカーというスポーツが体系化され一つの教科書になっている

戦術的なところなんかはコーチングスクールでもちろん勉強しますが、日本や九州と通じる部分や違いなどがあれば教えて下さい。戦術的なところはスペインは深い理論があります。戦術の決め事と自由のバランスなどの部分なんかは指導者学校に行って改めて理解したことや形になった事があるでしょうか

コーチングスクールに行って感じたのは、サッカーというスポーツが一つの教科書にまとられており、体系化されていると言うことです。このような定義付けをするんだ、こんな分類するんだというようなことにびっくりしました。日本に無い概念がたくさんあります。頭の中で理解しているのはサッカーはサッカーであり、それは日本でも一緒なのでわかるんですけど「これ」といったことは日本では定義されていません。でもスペインでは各要素に「これ」という定義があるんです。

言葉で表現されていますね

それはすごいですね。誰が考えてるのかなと思います。

ちなみに何年にコーチングスクールに行きましたか

2015−16です

知識的な所は形になった感じはありますか

通っていた当時は、まとまった部分とぼやけてる部分がありました。というのもスペイン語のレベルや選手しながらもやっていたので完璧に自分の中に落とし込むということはできませんでした。現場にフィードバックできる所は落とし込みましたけど、それ以外はずっと第二監督をやっていたのでチームマネジメントのことなんかは落とし込めていなかったなと思います。戦術・技術の要素は実際に日常に目に見える形に出ます。学校で習ってグラウンドで自分で落とし込むみたいな作業をしていましたが、できた部分とできてない部分がありました。

私もそうでした。コーチングスクールに入っていた時よりもその次のシーズンで試してみてしっくりきたような感じです。習ったことはああだったけど実際は違ったなと実感したことの方が多かったかも(笑)

通っている時よりもそうですね。さっきも言ったように、チームマネジメントに関して現場で起こった後にコーチングスクールで習ったことを振り返った時に納得するんです。そうやって自分の中に落とし込まれていくのかなとも思います。

そうですね、経験と学習が何度もフィードバックして形成されてきますね

テストは受かっていても実は本当は身になっていないというか、本当に現場でやってみて身になるのかなと改めて思いますね。こちらで指導してそれは非常によく感じます。

教えることで学ばせてもらった講師の仕事

では最後のテーマです。今年はプレサッカーチームの授業の講師も勤めていただきました。やってみた感想を教えてください

一番は、自分が学ばせてもらったなという感じです。坪井さんから話をもらった時はコーチングスクールが終わったぐらいでした。さらに、2チームを指導、優勝という経験から落とし込めた部分と、しっくりきていない部分があると思ったところで話を頂いたので、「もう一度復習したい」と思いながらやらせてもらいました。

そういう意味でもいい復習もさせてもらいましたし、新しい発見もありました。自分が教えるにあたって自分が理解していなければ絶対に教えられないというのもありますから、そこは一番自分が学ばせてもらったと思います。

講師としての授業の事前準備で勉強することはたくさんありましたね

自分が抑えきれていなかった知識も出てきたりするので、あれもあったり、こういうのあったりするんだ、って思ったり。サッカーのことを話していくと、PSTアカデミー5期生の5人それぞれの考えがあって、さらに私の考えがあって、坪井さんの考えがあって、それから4期生が見学に来てくれた時の彼らの考え方があって、それらの議論があってすごく楽しかったです。自分の中にない考えが入ってくるのがすごく面白かったですね。

自分がサッカーを教えるという立場になって彼らのことをどう見えましたが?少し前の自分のようですよね

みんなスペインへ来て指導者になることを求めてきてるので、学ぶ意欲がすごく伝わってきました。後は先ほども言いましたが現場でどうして成功して、現場でどう失敗して自分の中に落とし込まれていくのか、私が教えた事が彼らの中にどのように落とし込まれているのかが楽しみです。現場に行ってみて「吉住さんがあんなこと言ってたな」って思ってもらった時には私の仕事が価値のあるものになるのだと思います。頭の中に入ってるだけではなく現場に活きてもらえたらいいと思います。

3ヶ月の間だけでもアカデミー生がだいぶ変わっていく様子が少し離れたところから見ていると分かりました。初めの1か月間は慣れるのに少し時間がかかってましたが、2ヶ月目ぐらいからだんだんアカデミー生のサッカー感が形になってきたように見えましたね

僕もスペイン3年目になりこちらの感覚に慣れていて、彼らは日本から来たばかりですから最初は彼らの感覚が新鮮でした。日本で指導している人達とスペインで慣れている人たちの考え方の違いが特にキーファクターの作り方に出ていてとても新鮮でした。

「ここは選手に考えさせて」とか「選手の判断で」とかいうことがスペインでは絶対に無いなと思いましたし、、、それがだんだんとこちらのフットボールにより近づけていく作業をしたわけです。それに関しては、最初は僕も「日本の指導は…」とか言ってたので自分の3年前もそんな感じだったと思うんですね。

それがこっちで2,3年いて現場にいたらそうなっていくんだろうなと思います。本人はここにいるので気づかないですが、客観的に見ると自分自身も考え方が変わってきたと思います。

RCDエスパニョールのメソッドを日本へ伝える仕事

いろんな人たちが来て勉強して成長し、それを後輩に伝えていくのは縦のつながりとしては面白いことだと思います。きっと彼らの中からもこちらに残って講師をすると言うアカデミー生も出てくるかもしれません

さて、スペインでの貴重な経験を持って日本に帰るのですが、帰国後はどのようなことをされるのでしょう?

日本ではご縁があって9月から開校するRCDエスパニョールのスクールのスタッフになることが決まっています。今、その開校のために自分の指導も見直したり、スペインのRCDエスパニョールのクラブがどのような指導をしているかを勉強しています。それを日本に持ち帰るのが仕事なので、そのような形で日本の子供たちに貢献できればと思っています。

サッカーに関しては一つの形ができていると思いますが、次は日本人にそれを伝えるというのが新しいチャレンジであり面白みですね

面白いですよね。日本とスペインという二つの国で文化や環境が違う中で同じスポーツをしているので。大きな違いがある所で新しいチャレンジするのが楽しみです。スペインの良いところを日本の良いところに当てはめて行きたいなと思っています。

日本での活躍を期待しています。今日はどうもありがとうございました。

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吉住さんも語っているように、スペインで勉強することで大きく変わるのは、日本では曖昧だったサッカーの知識がより体系化され教科書のように整理されるということが挙げられます。指導者学校に通うことでサッカーの知識のベースを一から整理し、日々のトレーニングで試すサイクルを経て本当の知識を構築していくのです。

これはある意味では、指導者としてのスタート地点に立つということでもあります。PSTアカデミーではそのサイクルをより短時間でハイクオリティにするためにコーチングスクールの授業内容を事前に日本人講師からスペインサッカー理論を学べるメソッドを展開しています。この授業も、スペイン滞在の期間でサッカーをより深く学ぶことが可能になるとても重要な役割を果たしています。

これまで歴代講師を勤めてもらった後藤氏、黒沼氏(共にレアッシ福岡FC)、山本氏(HKDスポーツアカデミー)は現在日本でスペインサッカーと日本サッカーの融合を試み新たなチャレンジをしています。吉住氏も彼らに続きPSTアカデミーの講師を経て日本へ帰国し、9月からは日本のRCDエスパニョールサッカースクールでスペインから持ち帰った経験を日本に還元しようとしていますので、これからの活躍に注目です。

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