指導実践を実施
PSTアカデミー5期生のグラウンドでの指導実践の第3回目を実施しました。
5名のアカデミー生がチョイスしたテーマは以下の5つ。
- マークを外す動き
- サポートの動き
- カウンターアタック
- 守備のプレッシング
- サリーダ・デ・バロン
各アカデミー生はこれまで勉強してきたことをピッチ上で実践し新たな発見をしたようです。
この指導実践会の反省からも抽出されたことですが、トレーニングをする際に必ず意識しなければならないことの一つに
試合におけるどの状況における、何の要素のためにそのトレーニングの設定をしているのか?
というものがあります。
ほとんどが7人制サッカーの状況を想定してメニューが構築されていましたが、やはり良いトレーニングになっているのは状況の想定が明確になっているかどうかによるところは重要でした。
例えば、3バックで相手の2トップを攻略してボールを前に運ぶのであれば、サイドバックに見立てた選手に望むプレーとそうではないプレーがより明確になります。
サイドバックは高い位置でサイドチェンジのボールを受けて前に運びたいのか?
それとも下がってきて、わざと相手を引き出して中盤にボールをパスをしてほしいのか?
指導者としてのプレーモデルが明確であればあるほど、指導中に選手へと行うコーチングは指示がわかりやすくなります。
選手に「求める」ことがパフォーマンスの向上へと繋がる
逆に試合を想定していないトレーニングはどうなってしまうでしょうか。
選手のポジション取りはいつもバラバラでも修正をしない、優先順位のないサッカーになってしまいチームとしての機能が見えなくなってしまいます。そうなってしまうと選手は好き勝手にプレーしてしまい、特にスペイン人のチームでは指導者がコントロール(統率性)を失ってしまうきっかけになってしまいます。
また、このような指導をしていると選手は「あ、この監督は自由にプレーしていても何も言ってこないぞ。よーし、守備をしなくても大丈夫だ(笑)」というようにスキにつけ込まれてしまいチームがハードワークしないという大惨事になってしまうこともあります。
ですからスペイン人指導者は、日本のコーチと比べると選手への声かけも非常に強い口調で行います。そんなに強く言わなくてもいいのに、と日本人の感覚で思っていても意外とスペイン人にはそれくらいがちょうど良いんですね。
PSTアカデミー生も含めて、日本人監督がスペインで成果を出すために頭のチップを変えなければならない要素の一つは実でここにあり、これができないと監督としてのコントロールができないとも言えるとても大事なことです。逆にこれができれば、こちらのメッセージはしっかりと伝わり、チームのパフォーマンスはグングンと伸びていきます。
これも、スペイン人を指導するときの一つのヒントとなる鍵なのです。
コメント
サッカーをより明確に分析してわかりやすくトレーニングに落とし入れていくのか、指導者が理解出来ていなければ選手には伝わらない。頭の中ではわかっていてもトレーニングをオーガナイズして言葉で伝えることは、習慣化していないと出来ないから指導者はより勉強していかないと選手、チームの成長には結びつかないですね。
そうですね。事前準備のシュミレーションでどの様な現象が起きるのかを想定し、トレーニング後の振り返りの積み重ねが経験値となりそれが一番の勉強になるといえますね。それが選手と共に指導者が成長することだと考えます。