サッカーにおける定量的なデータ
デジタル社会が色々な業界に影響を及ぼしている現代ですが、サッカー界にもその影響は及びデータの利用の重要性が様々なところで語られています。しかし、私たちのプレイにそのデータはどのようなメリットを与えてくれるのでしょうか?
また、そのデータはどのようにして信頼できると証明できるのでしょうか?
今日においては、以前にも増してデータのスペシャリストが注目され、サッカーもその例外ではありません。彼らスペシャリストはデータを取って分析を行い、試合に活用できるように選手や指導者に材料を与えてくれます。ヨーロッパのトッププロクラブではこの領域に多くの人材と予算をかけて強化をしています。その代表的な例はペナルティキックのキッカーの分析です。ほとんどはこの仕事はキーパーコーチの仕事ではありますが、中にはこれを専門に行っている分析家もいると言われています。
路上やBarでのサッカーの分析に耳を傾けてみると、多くの場合は人々は試合に直接的に影響を与えたいくつかのプレイにしてコメントをしています。スペインでもBarでサッカー好きのおじさんがコメントしている、あれですね。
この分析はかなり主観的な分析と言われていますが、今日ではそれに取って代わり90分にわたりピッチ上で起こっている現象を数字で示すタイプの定量的な分析が行われております。
近年日本でもデータスタジアム社はこの分野でもよく耳にする名前だと思います。
さて、ここで大事なのはデータから最大限の有益な情報を引き出すことです。
数値のデータによる分析法を見ていくと、まずは個人プレーヤーのデータが挙げられます。
例えばパスの成功率、ゴールの数、ボールに触った回数、などですね。他にはチームプレイのデータとしてはボールポゼッション率がよく見るデータの種類となります。
選手のパス実行のデータからその選手のバスの成功率が導き出されますが、それはそれだけです。しかしその選手が誰とつながりを持っていたかどうかを調べると、 個人とチームに関してより有効な分析データを取ることができるでしょう。
データから何を読み取るか
例えば、とあるDFの選手のパスを分析し80%の可能性で他のDFにパスをしているとします。このデータからは、このDFからは前進プレーが少ないという傾向が見てとることが可能です。
さらにポゼッションとパスに関して深く分析をすると、この選手は試合に勝っている場合リスクを犯して前進を試みるプレーよりも安全な横パスを選択する選択する、という傾向が読み取ることが可能かもしれません。また逆に、勝っている状況ではより自信を持ってプレーするためにクリエイティブに前進を狙っていく、という可能性もあるでしょう。
もし、とあるDFが40%の確率で中盤やFWにパスをしている場合は、チームのプレーは縦に早い攻撃をしている、と情報を得ることができます。このようにして、一人のDFの選手の分析から様々な可能性が導き出すことができるのです。
またサイドの選手がボールの受けてからクロスボールをあげた回数を分析するとその選手の突破の能力を評価することができます。データを隅々まで分析し、その意味を探すことは私たちの役に立つのです。そして、それは90分を通して問題を解決する助けとなります。
個人、チームのデータから多くの可能性を導き出すことができ、上記で挙げたような個人のパスのデータからもチームプレーに関しての有用なデータを導き出すことができるのです。
しかしながら、定量的なデータがサッカーの全てをカテゴリ分けして整理できる訳ではありません。確かに私たちの分析を手伝ってくれるツールにはなるでしょうが、大事なことは意外と隠れているものです。サッカーには相手がいて、1000分の1秒単位で「判断」が下されているスポーツです。加えて監督が用意した戦術が背景にあったり、予想外のことが起こったりするので、2+2=4というような単純な話にはならないのです。
ですから大事なのは、データがあることが大事なのではなくデータを「どう扱うか?(またはどう読み取るか)」であり、サッカーというスポーツの一つの見方であるということを前提にデータと向きあうことが重要なのですね。