世界トップレベルのサッカー指導者になる2つの選択肢とは?

【松村利子】第2回:海外の「実体験」を伝えられる教員になりたかった

PSTアカデミー4期生の松村利子さんのインタビュー。

前回に続いて第2回をお届けします。

第1回:【松村利子】戦術をもっと伸ばせた高校時代

今回は、大学を卒業してスペインにくることに至った理由や、将来に自らが目指している教員像などを語ってもらいました。

周りの友達に刺激を受けて海外留学が選択肢に

では、大学を卒業しスペインに来た理由を教えてください

松村:もともと留学に興味があって、大学の時に周りの友達がどんどん海外に飛び出してるのを見て、帰ってきた子たちが一回り大きくなって帰って来ていることにかっこいいなと思っていました。

語学もできるようになって、海外はこうだったという話を聞くたびにすごいなと思っていました。留学自体に興味があったということと、せっかく行くならば語学だけではなく目的を持っていったほうがいいと思っていたので、自分はサッカーが好きだし大学に入って一度サッカーを辞めはしましたが、サッカーをやりたい、関わりたいなと思っていました。

私の場合は学校の教員になってサッカーを知りたいと考えていました。その後に日本のC級コーチライセンスを受講しに行ったのですが、私としてはあまりしっくりきませんでした。なんとなく言ってることは理解できたのですが、現場でどうやって指導したらいいかというのがしっくりこず、あまり学べなかったという印象でした。

そういうこともあり、大学院まで卒業したあとに1年間非常勤講師を勤めていましたが、これで教員採用試験に合格したらもう外に出て勉強することは難しいだろうと思い、これが最後のタイミングだと思っていました。

そしてどうせ留学するのであればサッカーの勉強をしたかったんです。それでスペインはもともと憧れていた国だったのですが、調べてみたらイギリスかスペインが候補に上がりました。そしてスペインだったらプレサッカーチームともう一つ違うところが検索したら出てきました。

イギリスは英語だったのと、あとは期間的に長くなかったので、どうせ行くなら1年以上の期間でという希望もありましたし、イギリスはポンドも高い、ご飯が美味しくないなど(笑)、色々と留学経験がある人から聞いたので、もともと憧れていたスペインに決めたんです。

同志社大学時代は何学部だったんですか

松村:スポーツ健康科学部という新しい学部でした。そこで勉強して教員免許をとって、大学院に行きました。大学院では政策の学部でした。

なぜそのような学部に?

松村:大学の学部のゼミもそっち系で行ったんですよ。スポーツ政策を選択し、そこでお世話になっていた先生が「行くならそっちの方に行った方が面白い勉強できるよ」とアドバイスをいただき、大学院時代もその先生にはずっとお世話になっていました。

今、海外に出ないと次はない

大学時代は、将来は何を目指していました?やっぱり教員ですか?

松村:大学の途中では結構迷ってました。就職も考えていたんですが、教育実習へ行った時に教員になることを決めたという感じです。

教員でありながらも、サッカーを教えられる先生をイメージしていたんですね。そんな中でスペインで勉強しようと決めたのは一度社会人になると出るのが難しいということもあったのでしょうね

松村:そうですね。その様なタイミングで出てしまわないとなかなか来れないですからね

よく来ましたね。迷わなかったですか?

松村:いえ、もともと来たいと思っていたのでこれを逃すともう行けないなと思ってました。例えば、就職したというのであれば新卒という括りで厳しいかなと思ったのですが、私の場合は教員を目指すのであれば年齢はあまり関係ないので、そこに対する迷いはそこまでありませんでした。それよりも、「今出ないとやばい」という方が強い感じでした。

じゃあ、このタイミングで来れてよかったですね

松村:よかったですね。

一度、社会に出るとその後に留学というのはなかなか難しいですから、学生を終えた時というのは良いタイミングだと思います。校風は周りの生徒さんも同じ様な感じなのですか?先ほど仰っていましたが、海外に行って帰ってきた人が多いと。

松村:いえ、私の学部はどちらかというと「語学はムリ」という感じでしたが、私が住んでいたところが大学の寮だったのでいろんな学部の人がいて、スポーツ以外の人と接してという部分でそれがよかったです。女子寮に住んでいましたが、自分でお金を貯めて短期や長期で外へ出てみてという人が同じ学年でも3、4人はいました。上の先輩もそうですし、外へ出ていく子が多かったんでそれは刺激になっていました。

サッカーの指導者でというよりも、どちらかというと海外を経験したいというのが留学の目的でもあるんですね

松村:両方ですね。将来のことを考えた時にプラスになるなと思っています。今は海外に出る子供が増えていますので、自分が教員になった時に自分の経験として「海外行ってよかったよ」と言えるのか、「分からないけど、行った方が良いんじゃない」としか言えないのとどちらがいいかなと思ったら、明らかに行った経験を持って話をできる方が良いというのもありました。

あとはサッカーのことをちゃんと知らなかったというものあります。自分が指導者になって、サッカーのことをよく分からないまま指導するのは自分の生徒がかわいそうだと思って。それもありますので、海外経験と、サッカーと両方というところです。

そうですね、スペインはサッカーの理論がしっかりと体型付けられていますからね

松村:スペインという国はヨーロッパの中でもトップレベルの国ですし、トップにいるというのは何かしらの努力やシステムなど、何かがなければそこまで上に行く訳ではないですよね。そういうことを学べるのかな、というのもありました。

自らの海外経験を語れる教員になりたい

ということは、「女子サッカー」というよりも「男女を含むスペインサッカー」という大きな視点で学べるということがスペイン留学の大きな目的の一つということですね。松村さんの周りで、海外に行った人や、留学に行ったことのある人はいましたか?

松村:はい、たまたま非常勤をしていた学校にすごい先生がいました。その方は青年海外協力隊をされていた方、また内閣府の関係で何十カ国と海外に派遣されていた方もいました。

松村さんのように、周りに海外に行ったことがある人がいると自然と海外に行くハードルが低くなっていませんか?

松村:そうですね。周りの人に憧れてというのもありました。海外に行かれた方というのは、すごく自信を持っていて、とてもカッコ良かったです。私自身も、違う国の違う文化に異常に興味を持っていました。例えば関西と関東では文化が違いますし、それが国になるとまた大きく違ってくるのだと思います。

小さい頃から日本のいろんなところを転々と渡り生活することも何か関わってきますか?

松村:はい、高校生の時に実家を出て寮生活をしていましたので、1人で海外に出るというハードルはあまりありませんでした。逆に両親にスペインに行くことを説得するのに大変でした(笑)ただ、PSTに参加すると他に日本人の方もいますし、ビザ関係のサポートもあるので個人的には心配はしていなかったです。

周りにスペインに来たことがある人はいましたか?

松村:いませんでしたね…メキシコに行ったことがある人はいましたが、スペインはないですね。

よくスペインに来たね(笑)

松村:なんとかなると思っていました(笑)

次回へ続く

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