留学する前に知っておきたいスペインの２種類のサッカー指導者ライセンス

こんにちは。

今日は、よくいただくご質問のQ&Aをお届けしたいと思います。

海外へのサッカー指導者留学を考えている方にとても気になるライセンス事情についてです。

最近よくこんな質問が寄せられます。

「スペインのサッカーコーチングライセンスはUEFAの資格に変えることができるのでしょうか？」

「スペインで取得したライセンスは日本で切り替え可能ですか？」

というご質問です。

せっかく海外にきてサッカーライセンスを取得するのであれば、それがどこまで有効なのかが気になりますね。

実はスペインのサッカーコーチングライセンスは日本と比べて少し複雑です。

というのも、コース受講は各自治州のサッカー協会が管轄しており、それを取りまとめる形でスペインサッカー協会があります。

さらにその上では、UEFA（ヨーロッパのサッカー連盟）が一定のレベル以上の各国のサッカーライセンスを取りまとめているという構図になっているのです。

２種類のサッカー指導者ライセンス

そして、もう一つ大事なことがあります。

それはスペイン国内には２種類のサッカー指導者ライセンスがあるということです。

え？種類の違う２つの指導者ライセンス？

と驚きますよね。

では説明して行きます

サッカー協会発行でUEFAに繋がる資格

一つはサッカー協会が発行するライセンスでスペイン語ではフェデラティーボ（Federativo）と呼ばれるものです。これは協会が主催するコースに参加することで取得でき、UEFAライセンスに直結するものです。巷で言われるUEFAライセンスとは、各国の協会主催のライセンスコースに通ってテストに合格したら取得できるこの資格のことを指します。ですので、厳密にいうと「UEFAライセンスのコース」というものは無く、各国の協会のコースに参加することで間接的にUEFAライセンスにアクセスしているということなのです。

スペイン国内のみ有効な資格

そして、もう一つのライセンスは各自治州が発行するアカデミコ（Academico）と呼ばれるものです。こちらはスペイン国内のみ有効でUEFAには繋がりません。カタルーニャ州の場合だと、私立の学校が行政から委託されてコースを開講しています。この資格を取得すると、教育現場でも利用することが可能。

なぜのように２つのサッカー指導者ライセンスが存在しているのかは、この記事では割愛しますが、現在はこのような仕組みになっています。

各州によって事情が異なる

さて、上記を読んでいただいた方はおそらく「あ、それなら UEFAに繋がる協会ライセンスの方が良いのでは？」と思いますよね。

日本で切り替えが可能なライセンスとなるとフェデラティーボ（Federativo）を取得しておいた方が良いのですね。

ただしかし、我々日本人にとってはある事情が存在しています。

先ほど触れましたが、スペインは各自治州のサッカー協会がコーチングライセンスの発行を管理していますので、PSTアカデミーの生徒たちが通うバルセロナのコーチングスクールはカタルーニャ州が管理しているのですが、現在カタルーニャ州ではフェデラティーボ（Federativo）のライセンスを受講できるのはスペインの居住権（Permiso de residencia)を取得している人のみという決まりがあるのです。

これは何を意味するかというと、留学生として取得する学生ビザの滞在許可証ではフェデラティーボ（Federativo）のコースは受講できず、留学生はアカデミコ（Academico）を受講することしかできないことが、現在のルールなのです

カタルーニャ州の場合ですと、学生ビザで入国した場合は残念ながらフェデラティーボ（Federativo）のライセンスを取ることはできないのですね。