世界トップレベルのサッカー指導者になる2つの選択肢とは?

賢くファールする レアル・マドリードの重大なミス

メッシの劇的なゴール

こんにちは。

先週土曜日にはレアル・マドリードのホームにてバルサ(FCバルセロナ)とのクラシコが行われ、ロスタイムでのメッシの劇的なゴールでバルサが2−3で勝利を納めました。

このゲームでメッシはバルサでの500ゴールを達成しました。

これで、リーガサンタンデール(スペインリーグ)の優勝争いは、レアル・マドリードが1試合の消化が少ないですがバルサと勝ち点で並び、さらに熾烈な展開となってきました。FCバルセロナはCL(チャンピオンズリーグ)を敗退しているために、カレンダーが有利という声もあります。レアル・マドリードはCLでアトレティコ・マドリーとの試合を中日に2試合余分に戦い、さらに延期になっているリーガの試合があるので過酷な日程になっています。これからの終盤戦の戦いから目が離せません。

さて、先日のクラシコの決勝ゴールの場面をみなさんは覚えていますか?

ここでレアル・マドリードの選手は重大なミスを犯しているのですが、みなさんはお気づきでしょうか?

この動画を見るとわかりますが、失点に到るまでのプロセスは

  1. Rマドリーがバルサ陣内奥深くでボールを失う
  2. プレスを回避されてセルジ・ロベルトにドリブルで前進される
  3. セルジ・ロベルトが左へパス
  4. 上がってきたジョルディ・アルバにパスが渡り、それを1タッチで中へパス
  5. メッシがゴール

という流れ。

この流れの中でレアルマドリーはとある重大なミスを犯していたのです。

それは2のところでバルサのカウンターを止めるためのファールをマルセロがしていなかったことです(動画の5秒のところです)。

相手を止めるためにわざとファールすることが必要?

日本ではもしかしたら是非が問われるかもしれませんね。なぜならファールを意図的にすることはよくないことだと捉えられるからです。

しかし、スペインではその見解は異なります。

あの時間と得点経過、展開を踏まえたらマルセロはカードをもらってでもファールをして、セルジ・ロベルトのドリブルを止めることが必要だったと考えられます。実際、得点の直後にクリスティアーノ・ロナウドは味方に対して「なぜファールして止めなかったんだ!?」と怒っていましたし、テレビのコメンタリスタも「マルセロがファールをしなかったのはミスである」とはっきりと述べています。

もし、仮にファールで止めていたら2−2で試合は終了し引き分けでレアル・マドリードは優勝にグッと近づいていたでしょう。

ルールに縛られてプレーする日本、ルールを活用してプレーするスペイン

日本とスペインのファールに対する捉え方では何が違うのでしょうか?

それは深くを掘り下げて行くと、決まりごとに対する解釈の違いに行き着きます。

日本人はルールを厳格に守り決まりごとを破らないように行動しますが、スペイン人はサッカーにおいてはルールを最大限に活用して最大の成果を得るために行動をします。

ですから、ファールに対する考え方も反則をしてイエローカードをもらったとしてもそれがチームの勝利に有用に働くのであればうまく活用すれば良い、と考えるのです。その最たる例が相手のカウンターを止めてしまうファールなのですね。

しかも、単語としても「Falta táctica戦術的な反則」としてちゃんと使われており、いつそれを利用しなければならないかもスペイン人指導者は育成年代からしっかりと教えます。そして、戦術的ファールが適切にできる選手のことは「彼はサッカーを知っている」と評価することもあります(本当にうまい選手はあたかも偶然ファールになってしまった、かのようにファールします)。

ファールをすることは、相手にFKを与えたりイエローカードをもらうという代償を理解した上で自己責任の元に行われる判断の伴うプレーの一つとしてスペインでは認識されており、決して相手に怪我をさせるような汚いプレーではありません。

このメンタリティの違いは、サッカーのパフォーマンスに違いが出ると考えられます。ルールに縛られてクローズな思考でプレーするのと、ルールは道具であると捉えてその中で自由にプレーするのとではどちらが賢いのでしょうか?

決して反則を推奨する訳ではありませんが、ルールを活用して試合を有利に進めようとする賢さを日本人も学ぶ必要があるのかもしれません。

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